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このページは2024年に調査した内容を掲載しています。

ニュージーランドには、8つの国立総合大学、16の工科大学・ポリテクニック(Institutes of Technology and Polytechnics:ITPs)、そして英語学校を含む約550の民間訓練施設(Private Training Establishments:PTEs)があります。

8つの国立大学は、オークランド大学、オタゴ大学、ビクトリア大学、カンタベリー大学、マッセー大学、ワイカト大学、リンカーン大学、オークランド工科大学(略称AUT)で、農業に特化したリンカーン大学以外はすべて国立総合大学で、芸術、科学、ビジネス、工学、法学、社会科学など幅広い科目を提供しています。

16校ある工科大学・ポリテクニックは、ニュージーランド特有の国立高等専門教育機関となっています。実際の職場での研修など、実践から学ぶ機会が豊富に組み込まれており、その後のさまざまな職業に繋がる技術を習得できます。建築業界から、高齢者ケア、ブドウ栽培から機械工学まで、数多くのプログラムを提供しており、有能な人材を養成しています。また取得できる資格も幅広く、ディプロマ・サーティフィケートといった短期コースから、学士・修士・博士号まで提供しています。

学士課程(Undergraduate)は通常3年間となっていますが、留学生の場合は、学士課程をスタートする前に、英語力に応じて半年~1年間、英語力を強化するファウンデーションコース(大学進学準備コース)で学ぶことが一般的です。ファウンデーションコースでは、英語力を強化することに加えて、大学で選択したい科目に沿った、大学の授業を受講する際に役立つ勉強法、プレゼンテーションやリサーチの仕方を学びます。コース終了後、大学で3年間の学士課程を修了すると学士号(Bachelor’s degree)が取得できます。また、成績の優秀な生徒はさらに1年専門性を高めることで、優等学士号(Bachelor’s degree with honours)を取得できます。
学士課程の後はさらに大学院課程(Postgraduate)で学ぶこともできます。学士号取得者を対象とする大学院ディプロマ(Postgraduate diploma)は1年間で、大学院サーティフィケート(postgraduate certificate)は半年で取得できます。さらに専門的な知識を身につけて修士号(Master’s degree)、博士号(Doctorate)の取得も可能です。修士号を取得するには、専攻分野で1~2年間の高度な研究を行い、大学内で取得可能な最高学位である博士号の取得には、学術的指導の下での独創的かつ継続的な研究を3年以上継続する必要があります。
 
国立の工科大学・ポリテクニックや、私立の訓練施設においては、コースの種類にもよりますが、理論的な理解および実務的な技術の習得を証明するサーティフィケート(Certificate)はおよそ半年、ディプロマ(Diploma)は1年間ほどで取得できます。また工科大学・ポリテクニックにおいて、さらにその上の学位を習得することも可能です。

リンカーン大学以外のすべての総合大学では、ビジネス系および文系・理系の各種科目を開講しており、なかでも特に考古学、英語学・文学、言語学、会計学・金融学、人類学、開発学、教育学、図書館・情報管理学、スポーツ関連科目、土木構造工学、解剖学・生理学、歯学、看護学、薬学・薬理学、心理学、獣医学、地理学などの分野では、学位水準は高いレベルを維持しており、世界的にも認知されています。

ニュージーランドにある8校の国立大学では、文系科目から理系科目まで様々な科目を提供しています。

ニュージーランドでは最大規模で最高学府とされているオークランド大学では、研究主導型のプログラムを導入し、国際的にも高く評価されています。芸術、ビジネススクール、クリエイティブアート、教育・社会福祉、工学、法学、医療・健康科学、科学、バイオエンジニアリング研究所などを提供しています。

ニュージーランドで2番目に大きいオークランド工科大学では、ビジネス・経済・法学、文化・社会、デザインとクリエイティブ・テクノロジー、健康・環境科学、マオリと先住民開発などの学科があります。

学生、研究者、地域社会、産業界が協力し合える近代的な学習環境を提供しているワイカト大学には、芸術、法学、心理学、社会科学、教育、健康、工学、コンピューター、科学、経営学、マオリおよび先住民研究などのコースがあります。

対面式、遠隔学習、またはその両方を組み合わせた柔軟な学習方法を提供しているマッセー大学では、クリエイティブアート、健康、人文・社会科学、科学、ビジネススクールなどの科目から選択できます。

ニュージーランドの首都、ウエリントンにあるビクトリア大学は、首都の利点を生かして世界トップクラスの研究・教育を行い、社会を変革する力を身につけるような学生体験を提供しています。学部は建築・デザイン・イノベーション、教育、工学、大学院研究、健康、人文・社会科学、法学、科学、ビジネスおよび政治スクールがあります。

ニュージーランド第2の都市、クライストチャーチにあるカンタベリー大学では、変化する世界に対して、積極的に貢献する機会を生徒に与えています。芸術、教育、工学、科学、ビジネススクール、法学、健康などのコースを提供しています。

ニュージーランドで唯一農業に特化した専門大学であるリンカーン大学は、教育や研究のために使われている広大な農地に囲まれており、素晴らしい学習体験を提供しています。学科は、農業・生命科学、農業ビジネスと商業、環境・社会・デザイン、大学研究・英語部門があります。

南島の学園都市ダニーデンにあるオタゴ大学は、医学、生物医学、自然科学、リベラルアーツ、リベラルアーツの各分野に強みを持ち、ニュージーランド国内外から多くの学生を惹きつけています。学部には、健康科学、人文科学、理学部、ビジネススクールがあります。

ニュージーランドのすべての大学で留学生を受け入れており、各大学への入学申請は、英語力と学業成績による書類選考となります。
大学の学士課程1年次レベルに入学する際には、一般的にはIELTSで6.0以上、TOEFL(iBT)で79~80点以上の英語力が必要となり、大学院レベルの入学にはIELTS6.5点以上、TOEFL(iBT)90~100点以上の英語力が必要となります。(いずれのレベルも大学によっては、より高いスコアが必要な課程もあるため、各大学のウェブサイトで必要条件を確認してください。)
 
学業成績としては、大学の学士課程1年次レベルの入学には以下の4つのうちのいずれかの資格が必要となります。
‐ニュージーランドでの大学入学基準と同等と認められる資格を自国で取得する。
‐ニュージーランドのセカンダリースクール(中等学校)に通い、大学入学基準またはそれに相当する資格を取得する。
‐ニュージーランドの大学で大学進学準備プログラム(ファウンデーションコースなど)を修了する。
‐語学学校など、大学以外の教育機関が提供する大学入学準備プログラム(ファウンデーションコースなど)を修了する。


一例として、首都ウエリントンにある、ビクトリア大学では、留学生のためのファウンデーションスタディーズコース(Foundation Studies Course)を私立語学学校のUP International Collegeと提携して提供しており、留学生が大学における学士課程を始めるにあたり、英語力が入学条件に満たない場合に受講できます。大学に付属しているコースのため、終了後の大学への進学もスムーズにいきます。

2024年度のコースは、年4回4月~10月に順次開講し、受講開始時の英語レベルもIELTSスコア4.5~6と幅があるので、自分の英語力にあわせて、半年~1年半のコースを選択できます。学費はコース期間や英語レベルによってさまざまで、16,750ドル~32,000ドルとなっています。

大学学士課程のコースの一例として、オークランド大学では、人文・社会科学系学士(Bachelor of Arts)で年間37,000~44,000ドル、教育学士(Bachelor of Education)で年間37,000ドル、商学士(Bachelor of Commerce)で年間44,000ドル、医学学士(Bachelor of Medicine)で年間83,000ドル、法学士(Bachelor of Laws)で43,000ドル、建築学学士(Bachelor of Architectural Studies)で約48,000ドルとなっています。

工科大学・ポリテクニックで提供しているコースの一例として、オタゴポリテクニックの調理師のサーティフィケートは、1年間のフルタイムコースで商業キッチンにおける調理全般の知識およびスキルを身につけることができます。コース開始は2月で学費は年間25,000ドルとなっています。

大学における留学生の授業料は、各大学によって差はありますが、学士課程では年間およそ2万~4万ドル、大学院課程では2万~4万5000ドルほどです。いずれも医学や獣医学などの学科の場合は、さらに高額になります。特例として、博士課程の学費については、国内学生と同様となり、多くの科目で年間6,500~7,500ドルとなっています。
また語学学校などの英語コースは種類も多く料金も様々ですが、一般の英語コースは週350ドルぐらい、ケンブリッジ英語検定コースだと12週間のコースで5,100ドルぐらいです。

大学への一般的な出願時期は、2月スタートの前期課程への出願は、前年5月~11月となっており、7月スタートの後期課程への出願は、前年5月~同年4月までとなっています。

ニュージーランドの大学では入学試験はなく、すべて書類選考になります。
留学生はまず希望のコースを選択し、各大学のオンラインシステムに登録します。出願はオンラインでできますが、その際に出願に必要となる書類(出願書、英語での成績証明書、英語力を証明するスコア、IDなど)をアップロードする必要があります。
オンラインによる出願手続きが終了すると、出願書受領のメールが大学側から送られてきます。選考期間ののちに(最長で6週間)に書類審査の内容が入学条件を満たしている場合は、大学から入学許可書(Offer of Place)が授業料の請求書とともに送られてきます。授業料を支払い、学生ビザの申請の際に必要になるので、かならず領収書をもらってください。

ニュージーランドでは、大学などの高等教育期間で資格を取得した後、ニュージーランドに滞在して実務経験を積みたい場合、「ポストスタディーワークビザ(Post Study Work Visa)を申請できます。このビザを取得すると、大学で専攻した内容や場所にもよりますが、卒業後最長で3年間ニュージーランドで働くことができます。
ニュージーランドでも最も多くの日本人が暮らすオークランドに、「オークランド日本人会(NZ)」という会があり、定期的に日本に関わるイベントを開催しています。
2022年度の高校生の留学生総数は5,130人で、内訳は中国が1,965人、韓国が640人、日本が855人、ドイツが245人、タイが375人等となっています。
2022年度の大学留学では留学生の総数が13,220人で、内訳は中国が7,660人、インドが605人、米国が370人、マレーシアが675人、日本が360人等となっています。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。